Apple純正のiPad用キーボードSmart Keyboard Folioを徹底レビュー。
2018年iPad Proは大きな進化を遂げました。
ホームボタンが排除されてフルスクリーンになり、LightningポートからUSB Type-Cポートの転換を果たし、よりPCライクに使える端末として発表されました。
その際に同時に発表されたのが今回レビューするSmart Keyboard Folioです。
Smart Keyboard Folioの良い点・悪い点
先に結論としてSmart Keyboard Folioの良い点と悪い点をまとめておきます。
それぞれの詳細も説明します。
Smart Keyboard Folioの良い点まとめ
- 汚れや水濡れに対する高いメンテナンス性
- キーボードが不要な時はタブレットスタイルで使える
- Bluetoothのペアリング不要
- 柔らかい打鍵感
- 負担にならない軽さ
Smart Keyboard Folioの悪い点まとめ
- 値段が高い
- トラックパッドがない
- 画面の角度調整が2段階しかできない
Smart Keyboard Folioの良い点
1. 汚れや水濡れに対する高いメンテナンス性
Smart Keyboard Folioは材質が一般的なプラスチックではなくファブリック素材です。さらに一般的なキーボードのようなキーがそれぞれ一つのパーツとして埋め込まれているような作りではなく、一枚の布が全体を覆い隠してその中からキーが浮いているような設計になっています。
この構造の何が良いかというと、キーボードに隙間ができないことです。一般的なキーボードはそれぞれのキーの間に隙間があるので埃が詰まったり、水やコーヒーをキーボードにこましてしまうとキーの間から水分が浸透していってキーボードが故障すること等もあります。
しかし、Smart Keyboard Folioは隙間がありません。なので、最悪水をこぼしてしまってもタオルでサッと拭けば、キーの隙間から水分が浸透するなんて事態は防げます。
この特徴は想像以上に持ち運ぶ時のメンタルヘルスに良いです。
最近はリモートワークの普及で出先で作業することも増えました。その際の作業場所の定番としてはカフェではないでしょうか?当然ですがカフェではドリンクをオーダーしますので、端末の横に水分がある状態で作業することが常です。さらにカフェの机はかなりコンパクトであることが多いですし、他の人の往来も多いので、端末にドリンクがかからないかと無意識にも気を遣ってしまいます。そこでSmart Keyboard Folioを使うとそういった無意識下のストレスを予防することが出来るのです。
最悪、水がかかっても汚れてしまってもタオルでサッと拭けば良いのですから。
2. キーボードが不要な時はタブレットスタイルで使える
このSmart Keyboard Folioは折りたたんでiPadの裏側までキーボードを持っていくことが可能です。例えば、電車に乗っているときに文字は打たないけれどネット閲覧がしたいと思った時にもSmart Keyboard Folioを付けたままiPadを使うことが可能です。以前、紹介したMagic Keyboardだとそういった使い方はできないので、この特徴はSmart Keyboard Folioの利点と言えるでしょう。
また、後ほど詳細に説明しますがSmart Keyboard Folioの重量はそこまで重くありません。なので、iPadを手に持った状態で使うときにSmart Keyboard Folioを付けたままでもそこまで大きな負担にはならないでしょう。
3. Bluetoothのペアリング不要
Smart Keyboard FolioやMagic KeyboardといったApple純正のiPad用キーボードにはSmart Connectorという端子が付いています。この端子があるおかげでiPadにキーボードを付けた瞬間からキーボードを使うことが可能となり、Bluetoothのペアリングが不要になります。また、この端子からキーボードへの給電も可能になるのでキーボードの電池切れも心配ありません。
外部のBluetoothキーボードを使うとなるとペアリング作業が必須になりますし、いざ使おうと思ったときにバッテリー切れで使えないなんてこともよくあります。そういった問題を避けられるのは純正キーボードの大きな利点と言えるでしょう。
4. 柔らかい打鍵感
良い点の「1. 汚れや水濡れに対する高いメンテナンス性」でも書きましたが、Smart Keyboard Folioはファブリック素材でできているため打鍵感がかなり特殊です。
プラスチックのような硬い打鍵感では無く、かなり柔らかい打ち心地をしています。また、Apple純正のキーボード全般に言えることですが、ストロークがかなり浅めの設計になっていて無駄なく文字入力が可能です。打鍵が強い人はよく、「ストロークが浅いキーボードだと衝撃が強すぎて指が痛くなってしまう」という人がいます。しかし、Smart Keyboard Folioなら素材がファブリック生地なのでそういった人でも打ちやすいのではないかと思います。
個人の好みももちろんありますが、私はこの打ち心地がかなり気に入っています。
5. 負担にならない軽さ
Smart Keyboard Folioはとても軽いです。その重さは11inchモデル用で296g。キーボード+ケースの役割を果たしながらこの重量は十分軽いと言えるでしょう。なので、iPadと一緒に持ち歩く際も負担になりませんし、片手で持ちながら使うのにも十分な軽さでタブレットとしてのiPadを有効に活用できます(12.9inchモデルだと少し厳しいかもしれませんが)。必要になればサッとキーボードを出してPCライクに変更できるのも大きな魅力です。
モデル | iPad Pro 11inch/Air用 | iPad Pro 12.9inch用 |
---|---|---|
重さ | 296g | 402g |
iPad本体の重さ | 466g(Wi-Fiモデル) | 682g (Wi-Fiモデル) |
iPad本体+ Smart Keyboard Folioの合計の重さ | 762g | 1084g |
一般的な作業はもはやiPadでも普通のPCと遜色なく行うことができるので、762gの小型PCだと思うといかにiPadが取り回ししやすいかが分かるかと思います。
Smart Keyboard Folioの悪い点
1. 値段が高い
Smart Keyboard Folioは決して安い買い物ではありません。安いモデルでも(税込) 26,800円します。ケースも兼ねているとは言え、キーボードに2万円を超える額は正直高いと言わざるを得ません。(まあ、それでも売れているのがすごい所ではありますが)
iPadをメイン端末にする、iPadの使用用途が文字入力メインならこの金額も投資として割り切ってしまって良いと思います。しかし、そこまで文字入力をする予定はない場合や、お絵描き等がメイン作業の場合はよく検討した方が良いかと思います。
モデル | iPad Pro 11inch/Air用 | iPad Pro 12.9inch用 |
---|---|---|
値段 | (税込) 26,800円 | (税込)30,800円 |
2. トラックパッドがない
Smart Keyboard Folioにはトラックパッドがありません。なので、もしトラックパッドやマウスなどのポインティングデバイスが必要な場合はBluetoothなどの外部デバイスを接続する必要があります。
しかし、これは軽さとのトレードオフでもあります。トラックパッドが無い分、軽量化を実現できているとも言えるでしょう。普段は軽いまま持ち運びが出来て、必要な時だけマウス等を持ち運べると考えればむしろ多彩な使い方ができるという魅力とも捉えることができます。必ずトラックパッドが欲しい人はSmart Keyboard Folioではなく、Magic Keyboardを購入した方が良いでしょう。
3. 画面の角度調整が2段階しかできない
Smart Keyboard FolioはiPadを立てるスタンドの役目も果たします。
しかしその際、画面をどのような角度で立てるかは2種類の角度からしか選べません。まあ、正直2種類から選べるのなら十分だと捉えることもできますが、Appleが発売しているもう一つのiPad用キーボードであるMagic Keyboardは無段階の調整ができるので、Smart Keyboard Folioよりも角度調整はしやすいのです。なので、今回悪い点としてカウントしています。
Smart Keyboard Folioを購入した方が良い人・しなくても良い人
上記の内容を踏まえて最後にSmart Keyboard Folioを購入した方が良いひとはどんな人か、逆にしない方が良い人はどんな人かをまとめます。
Smart Keyboard Folioを購入した方が良い人
- iPadを外出先でよく使う人
- iPadで文字入力をよくする人
- iPadがメイン端末の人
- なるべく荷物を軽くしておきたい人
Smart Keyboard Folioを購入しなくても良い人
- 文字入力をしない人
- お絵かき等のApple Pencilを使った作業がメインの人