ローンを組んで50万円のiMacを買った理由 前編 お金≒HP
なぜ私はローンを組んでまで,50万円のiMacを買ったのか.前半は,お金ってゲームのHPに似てるよねって話をします.
※この記事はiMacの購入体験を用いた,お金に対する私なりの考えをまとめたものです.
前回投稿したように,iMacのアルティメットモデルを購入しました.
アルティメットモデルの名に相応しく,2020年1月現在において最高のiMacです.
VESAマウントアダプタ搭載27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデル
3.6GHz 8コア第9世代Intel Core i9プロセッサ(Turbo Boost使用時最大5.0GHz)
8GB 2,666MHz DDR4メモリ (購入後,自分で64GBにアップグレード)
2TB SSDストレージ
Radeon Pro Vega 48(8GB HBM2メモリ搭載)
Magic Trackpad 2
Magic Keyboard(テンキー付き)- 英語(英国)
アクセサリキット
これは当然,性能も最高ですがお値段も最高でした.
- iMac 本体 (税込) ¥480,370
- Apple Care(税込) ¥22,880
- メモリー64GB(税込)¥39,083
合計 ¥542,333
約55万円の買い物です.パソコン一台に55万円です.さらに,今回は3年ローンなので分割払手数料として¥37,949かかります.
パソコンに興味が無い人は,一台55万円のパソコンを買うなんて馬鹿げていると思うかもしれません.しかし,私は買いました.
では,なぜ私はこんなに高いiMacをローンを組んでまで買ったのか.2回の投稿に渡って,その理由を書きたいと思います.
当然,これは私個人の考え方を述べているだけで「みんなどんどんローンを組もう!!」とか「みんなハイスペックパソコン買おうぜ!!」といった趣旨の記事ではありませんし,もし「この記事を参考にローンを組んだけど破産した」なんてことが起きても一切責任は取れません.
「ほーう,この若造はこんな事を考えているんか」くらいの感覚でお読みください.
お金とは?
まず,私がお金というものをどのように考えているかを述べておきたいと思う.
お金はHP(ヒットポイント)である
私はお金はRPGゲームでのHP(ヒットポイント)のようなものだと思っている.
おそらく馴染みのあるゲームだとは思うが,念のために簡単にまとめておく.
RPGゲームをする時,主人公にはHPという体力のようなものが設定されている.例えば,HPが30ある主人公は,威力が5の攻撃を5回受けてしまっても,30-5×5=5でHPは5残る.しかし,6回目の攻撃を受けてしまうとHPが0になってしまいゲームオーバーで死んでしまう.
ゲームオーバーにならないように気をつけながら世界を冒険し,仲間と出会い,困難に挑み,魔王を倒すことがRPGゲームの楽しみだ.
RPGゲームを始めるとき,序盤の主人公のHPの最大値はとても少ない.しかし,主人公がレベルアップするにつれてHPの最大値はどんどん上昇する.例えば,レベル1の時はHPは最大で30しか無いが,レベルが20になる頃にはHPの最大値は200もある といった感じだ.そして,基本的にこの最大値というのは一度増えるとそれ以降減ることはない.もちろんダメージを受ければHPは減少する.しかし,その最大値自体は減少しない.この最大値はレベルアップするにつれて大きくなるので,この最大値が大きければ大きいほど主人公は成長していると考えることができるだろう.
しかし当然,レベルアップをするためには主人公は様々な敵と戦わなくてはならない.
スライムを倒し,ゴーレムと戦い,ドラゴンに敗れることもあるだろう.街の中をうろついていてもレベルが上がることはない,冒険をしないといけない.そして,その経験値をもとにレベルアップしていくのだ.
この時,HPは重要な要素である.HPが多いほどダメージを受けても0になるまで余裕があるので冒険の幅を広げられる,敵と戦いやすくなる,ゲームオーバーになる不安も減る.HPの最大値が30なのに魔王に勝負を挑んだって文字通り瞬殺されてしまうし,そもそも辿り着けないだろう.
ゲームのHPを現実の貯金残高に
さて,ここでRPGゲームのHPを現実の貯金残高に置き換えてみよう.
例えば,銀行口座に100万円があるとしたら,現在のHPは100/100である.このHPは支出(=ダメージ)によって減少する.例えば,20万円の買い物をすればHPは80/100になる.しかし,給料の20万円が振り込まれれば100/100に回復できる.そして,私たちはこのHPが0にならないように気を配りながら,生活を送っていると考えることができる.ゲームと異なるのはHPの全回復は難しいということだ.ゲームならば教会に行けばHPは全回復できるが,現実においてそういう場面はまず無い.しかし,重要なのは仮に20万円の買い物をしてしまっても100万円という金額を持ったことがあるという経験は消えないということだ.
最初のうち(新社会人,または学生でもいい)はHPの最大値は少ない,しかし,収入を得るにつれてHPの最大値は徐々に増えていく.
例えば,それまでは毎月3000円のお小遣いや3万円のお年玉を貯めて節約して5万円まで貯金した中学生が,高校に入りバイトを始めて月に5万円の収入を得るようになったとしよう.そうなれば,今までのHPの最大値が5だったのに対して,今の最大値は10である.すると,その高校生は以前は買えなかったスニーカーが買えるようになるかもしれない.以前は行けなかったアーティストのライブに行けるようになるかもしれない.そして,どんなものであれ,経験を得ることができる.つまり,その高校生は以前は行けなかった世界への冒険が可能になる.現実でもゲームと同じようにHPの最大値は冒険できる世界の範囲を広げてくれるし,戦える敵を増やしてくれるのだ.この意味において,HPの最大値はやはり重要である.
これが大学生,社会人になっていくと,ますます最大値は上がりやすくなる(現代日本においてはこの傾向は一概に言い切れないかもしれないが).すると,さらに世界が広がる.海外旅行に行けるようになったり,起業に挑戦してみたり,車を持てるようになったりするだろう.これは基本的にHPが0にならないという前提のもとでないと行動できない.HPが5(貯金残高5万円)しかないのに車を買おうとはなかなか思えない.HPに余裕がないと新しい冒険を始めるのは難しい.だからこそ,ゲーム序盤のレベルアップをして成長し,HPの最大値を増やしていく作業は面白かったり苦労したりする.
逆にある一定以上よりHPが多すぎると.そこに対する執着は薄れていく.HPが99999999もある主人公なら,魔王にも負けはしない.何処へでも冒険できる.これ以上,HPの最大値を上げても仕方がないだろう.そして,そういった主人公はこれだけのHPがあるというのはどういう感覚か,これだけのHPがあれば何が出来るのかもよくわかっている.
世間ではよく,億万長者が「人生において一番大切なのはお金ではない」と言い,庶民が「いや,それはあなたがもう十分なお金を持っているからでしょう」と返す構図を見る.これこそ,このHP99999999の主人公とHP10の主人公の差ではないだろうか.では,この問題の正解はなんであろうか?
どっちつかずに思われるかもしれないが,私はこう思う.「人生において一番大切なのはお金ではない.しかし,一番大切なことをするのにお金が必要になる事は多い.」
ここで思い出したいのはそもそものゲームの楽しみである.ゲームオーバーにならないように気をつけながら世界を冒険し,仲間と出会い,困難に挑み,魔王を倒すことがRPGゲームの楽しみだ.つまり,冒険をすること自体が楽しいのだ.そして,冒険こそ人生の一番大切なポイントではないだろうか.冒険というとイメージしにくいかもれないので,現実的で身近な言葉に置き換えると体験や経験と言える.
極端な話,街の中に永遠に留まっていればHPが減る事はない.しかし,そんなゲームはつまらないと私は思う.HPが減ることを承知で,街を飛び出し冒険に出かけ,洞窟で迷い,敵と戦い,レベルアップをして新しいエリアに挑戦する,それが楽しいのだ.これは人生においても同じように思う.どこにも行かずに家でじっっっと動かずに過ごしていれば,貯金を減らす事は避けられる.しかし,挑戦の機会は訪れない.この時の挑戦というのは,人や場合によってはビジネスを始めたり,車を買ったりとあらゆる種類のものが当てはまると思う.そして,そのどれもが基本的にはHP(お金)が多い方が実行しやすいものである.
個人的な話で申し訳ないが,私はいつか博士課程に挑戦したいと思っている.では,なぜ今しないのか?と問われれば学力不足ということもあるが,最大の問題はやはりお金(HP)が足りないのだ.つまり,HPが足りないために新しいエリアへの冒険ができない状態にある.私は言語学をより深く学びたいと考えている,その経験を得るためにはお金が必要ということだ(博士課程に行かなくても勉強できるという意見も当然あるが,この話の主軸とズレるので割愛したい).
だからこそ,「人生において一番大切なのはお金ではない.しかし,一番大切なことをするのにお金が必要になる事は多い.」という考えに至るのだ.
その意味で,お金はHPのようなものだと考えている.多ければ多いほど色々な冒険ができるし,ゲームオーバーになる可能性も少ない.0になってしまってはいけないので当然気を配る必要もある.しかし,その本質は冒険をするための一つのパラメーターに過ぎないので,最重要事項ではない.
以前,Twitterで石田ゆり子さんの言葉がバズっていたのを拝見した.(バズっていたのを拝見しただけなので,この言葉を本人が正確にこのように発言されていたのかはわからない)
お金っていう紙を残すか、経験に替えていくか、なんです
この言葉の通り,お金は使わないと経験には変わらないのだ.
ここまでザッと現実のお金をゲームのHPに置き換えて,私のお金に対する考え方をまとめてきた.もちろん,細かい点ではお金とHPの差異は多くあると思うが,その点に関しては大目に見ていただきたい.
次回は,これをもとに,なぜローンを組んでまでiMacを買ったのかということを書きたい.この投稿は言葉遣いを変え,クドクドと話してきたが,次回はいつも通り平坦でカジュアルな構成にしたいと考えている.
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